神奈川県保険医協会・政策部は2009年7月30日、厚生労働省の記者クラブで、歯科政策提言(案)を発表した。当日はNHK、日本テレビ、朝日新聞、産経新聞、西日本新聞、共同通信など報道関係15社が集まり、質疑応答。またテレビ東京が同日夕方のニュース番組「NEWS FINE」のセカンドニュースで当協会が歯学部定員削減などの政策提言を発表したと、記者発表の場面やインタビュー映像とともに報道。歯科医療の実情・実践例の紹介なども交え10分程度の時間を割いた。
この歯科提言(案)の表題は「再生と矜持、盤石な国民の口腔保健をめざす歯科医療の政策提言(案)」。昨年9月から検討を重ね、このほどまとめたもの。年収300万円のワーキングプアが歯科医の3割弱を占め経営基盤、身分保障が危うくなるとともに、歯科技工物の海外委託作製のように歯科治療の安全性・質も蔑ろにされかけている現状を踏まえ、事態の打開のため喫禁の課題を中心に6本の柱の提言として構成している。
提言案では、歯科医療が公的制度発足当初からの歯科軽視策、無定見な養成策による歯科医師過剰、医療費抑制策の強化の3つの構造問題のもと窮状が起きていると分析。
打開策として(1)歯科医師需給の合理的是正-歯学部定員50%削減、(2)歯科医療技術の保険収載のルール化、(3)保険外歯科医療の段階的解消、(4)技術・労働とモノの適正評価-物価スライド、賃金統計などの指標確立、(5)診療報酬の大幅改善-当座プラス9・4%改定、(6)患者窓口負担ゼロの実現-の6本を提言とした。
神奈川県保険医新聞より抜粋
(2009年7月25日・第1765号)