神奈川県保険医協会・医療情報部は2010年8月25日、「IT化で進む国民管理システム~自己情報コントロール権を確立するために」をテーマに医療情報講演会(市民公開講座)を開催。当日は医師・歯科医師、市民、マスコミ等25名が参加した。講師は弁護士の水永誠二氏。氏は住基ネット差止訴訟の弁護団事務局次長等を務め、個人情報保護、監視社会の問題点などを中心に、人権擁護と社会正義の活動に日夜取り組んでいる。
氏は政府に対する国民の不信感が拭えない現状で、国民管理に直結する「税と社会保障の共通番号制」を批判。IT化による国民管理への対処として、1)情報主体である国民が自己情報の収集や利用状況の把握、利用の拒否や抹消のできる「自己情報コントロール権」を確立すること、2) 個人情報保護法を分野ごとに実効的な権利法として確立すること、3)情報の取り扱いを保護法に基づき監視する第三者機関を設立すること―が必要と説いた。
神奈川県保険医新聞より抜粋
(2010年9月15日・第1802号)