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高齢になってからできる顔のホクロやイボ
高齢になってから顔にできる“できもの”について、特に、脂漏性角化症、日光角化症、基底細胞がんについて説明します。近年は紫外線が皮膚がんの発症リスクになるということが多くの方に知られていますが、患者様の中には「昔はよく日光浴をした」とおっしゃる方が少なくありません。日光に当たりやすい顔にできる“できもの”について、少しでもご理解いただければと思います。最近では、皮膚科専門医はダーモスコピーという皮膚の色調の分布を見る特殊な機械を使って“できもの”の診察をしています。何か皮膚にできたなと思ったら、皮膚科に受診してください。
脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)
・ 20代頃から出現し、80歳以上の高齢者にはほぼ全員に認める
・ 好発部位は顔、頭部、体幹
・ 手のひら足の裏には生じない
・ 外側に向かって表皮の限局性増生を特徴とする皮膚の老人性変化
・ 臨床像は扁平な斑から隆起するものまでさまざま
・ 色は灰色から黒褐色とバリエーションに富んでいる
・ 大きさは1~2cm程度までのものが多い
・ 表面は硬いガサガサになることが多い
・ 乳頭状や顆粒状を呈することが多く、周囲との境界は明瞭
・ 通常、自覚症状はないことが多い
・ 老人性色素斑(しみ)から隆起してくることが多い
・ 治療は必ずしも必要なものではないが、美容上、あるいは悪性との鑑別を要すときに治療が必要になってくる
・ 治療方法は、冷凍凝固療法、炭酸ガスレーザー治療、手術など
日光角化症(にっこうかくかしょう)
・ 別名は「老人性角化症」という
・ 60歳以上の高齢者の手、顔などの日光が当たる部分に単発、ならびに多発性に出現
・ 大きさは直径数mm~1cm程度で扁平な淡紅色のできもの
・ 表面にガサガサ、かさぶたを伴う
・ 通常、自覚症状はないことが多い
・ 治療方法は、イミキモドクリームや抗腫瘍薬軟膏の使用、冷凍凝固療法、手術など
・ 最近ではイミキモドを患部だけでなく、その周囲にも広めに塗り、隠れている病変をも治療する「あぶり出し療法」も良く行われている
基底細胞がん(きていさいぼうがん)
・ 黒く光沢のある“できもの”
・ 紫外線などが誘因となり、高齢者の顔に好発する
・ 顔面正中部で上口唇より上方の特に目、鼻の周囲に好発する
・ 多数の病型があり臨床症状も様々
・ 出血しやすく、進行すると中央がくぼみ、潰瘍を伴うようになる
・ 発育は遅く、通常は単発性であることが多い
・ 治療方法は手術で、転移はしにくい
(最終更新:2014/2/17)